携帯サイトが盛り上がらない。
盛り上がらないって?着ゴエ、着ウタ、着メロ、待ち受け画像..盛り上がってるじゃないか!という人もいると思う。
でも、あえて言ってしまおう、携帯サイトは盛り上がってない。
私の本業、サイトマネージャーの世界で言う、webブランディングの3Cというのがあって、それはコマース・コンテンツ・コミュニケーションだ。
でもこれはあくまでビジネスのためのサイトブランディングの言葉で、WWWの船出はまずコンテンツ、そしてコミュニケーションだ。
最初にコンテンツがあり、コンテンツを利用する人々が集まってコミュニケーションが生まれ、人々が集まるということでコマースの基盤が生まれた。ワールドワイド・ウェブとしての、始まりは何よりコンテンツだ。これがインターネットというと何より電子メールや、FTPやNetnews(まだ盛り上がってるのかな?)を抜きにしてはならないけど、世間一般で「インターネット」といえばWWWなわけで、「インターネットの中心はコンテンツ」と言ってしまってもいいと思う。
このWWWが、携帯ネット(ブラウザホンとか、携帯サイトとか言うけど、とりあえず携帯インターネットをまとめてここでは「携帯ネット」と呼んでしまおう)では盛り上がってない。魅力的なサイトがないから検索エンジンも盛り上がっていないし、携帯独自の面白いサイトも少ない。
私は自分で携帯ネットのヘビーユーザーというわけではなくて、仕事関係で触っているだけだけど、それでも3キャリア分の携帯でいくつかのサイトを見てはいる。何人か、自分たちで携帯サイトを作成している知り合いもいる。でも、携帯サイトを自分で作ったりしている人に聞いても、ほとんどは「お気に入りサイト」というものを持っていない。
ここで言う「お気に入りサイト」とは、乗り換え案内やmapfanみたいなサービスのことじゃなくて、あくまで閲覧するためのサイト。好きなコンテンツがあって読むためのサイトだ。
そのお気に入りサイトを、誰に聞いても持ってないという。そもそも、携帯でwww閲覧をすることがあまりなくなったみたいだ。「最初はちょくちょくやっていたけど、あまりやらなくなった。目新しさがなくなったし、有料サイトが多くて…」というのがたいていの人の声みたいだ。
携帯でのネットサービスは今盛り上がってるから、関連サービスの新規追加も多い。FOMA,ムービーメール、QVGA化、JAVAアプリ、着声,着歌,etc,etc…でも、こう並べてみると、全部がその携帯にダウンロードするものばかりで、ネットの中で使うものがない。メールの拡張系はメールだし、JAVAアプリもダウンロードして手元で使うものだ。純粋にネットで使える新サービスは、GPS,エリア関連のものぐらいだ。
携帯サイトを作るのが難しいわけじゃない。携帯サイトのオーサリングそのものは、webよりもだいぶ楽だ。PCで作ってアップするのもとても楽だし、blogみたいなサービスで、携帯でオーサリングすることもできるようになりつつある。もちろんあの数字キーでの日本語入力は大変だけど、慣れてものすごいスピードで入力できる人が、みんなまわりに何人もいるだろう。カメラもついたし、携帯でサイト作成できるようになってもおかしくない。
palmやWindows CE,ザウルスみたいなPDA端末のユーザーは携帯ユーザーに比べたらはるかに少ないけど、関連サイトはいっぱいある。
誰に聞いても言う。ほとんどのサイトが有料だから、いちいち探す気にならない。
ネットを見るのにパケット通信費がかかるから、見る気にならない。と。
PCのインターネットのサービスは、なんでもとにかく無料だった。もちろんプロバイダにお金を払う必要はあったけど、ある程度以上つかったら無料になるサービスはかなり最初のころからあった。NTTに電話代を払う必要はあったけど、これもテレホーダイというひどい制度(一定料金を払うと、23:00~以後の電話代が定額になるという制度..なんと、NTTのサイトを見たら、まだあった!)を使えば、条件つきだけど気にせずにすんだ。
そして何より、利用に料金がかかるサイトはほとんどなかった。多くの企業が夢見て、いくつも有料のサイトが立ちあがった(いくつか、構築に参加したことあります)けど、かたっぱしからつぶれてしまった。たいていは、それと同じぐらい面白い・役立つサイトを無料で誰かが立ち上げたし、わざわざ有料サイトを見なくても面白い・役立つサイトはいっぱいあった。
悪名高いテレホーダイで多くの人が生活を破壊されながら、ネットサーフィンをしたりページ作成に精を出したりしていた。テレホーダイを有効活用するために、サイトを丸ごとダウンロードしたり、指定時間でネットに自動的に接続・切断するソフトを使ったりしながら、「いつかは常時接続になりたいなあ」なんて言いながら。
その後、サイトは爆発的に増え、常時接続も当たり前になった。有料サイトは?…一部のアダルト向けの物を残して、ほとんどはなくなってしまった。コンテンツに課金ができなかったことで多少はネット企業がつぶれたけど、それでも多くの企業はネットで商売をしている。
携帯ネットはそうなるか?多くの企業が携帯でサービスを展開しているけど、たいていはPCのwebサイトの縮小版になっている。作ったはいいけど余り更新していないサイトも目立つ。
何よりどのサイトも、PCより利用者はだいぶ少ないみたいだ。
このnoblogのNobiさん()も、パケット台に嫌気がさして携帯からのblog更新を控えてしまったようだ。
すべては、「携帯でネットを見る」習慣が根付いていないからだと思う。携帯ネットで今できることは月に100円だの300円だのを払って「サービスを購入する」ことであり、ネットの閲覧ではない。このままでは契約台数がどれだけ伸びても、携帯ネットはインターネットの子分になってしまう。
幸い、やっとauがパケット代の定額サービスをはじめるようだ。(まだとても高いけど..)
パケット代だけで毎月4200円と強烈な価格で、まだ試験導入に近いような感じだけど、一刻も早くこれが通常の流れになってほしい。テレホーダイでネットにつないでいた金額を考えたら、最初はまあこんなもんかな、という気もする。
業界最大手のNTTDocomoも、早くこのサービスをスタートしてほしい。料金を気にせず使えるようになったら、そのサービスからは必ず新しい市場が生まれるはずだし、何より爆発的に携帯サイトが増えるはずだ。
面白いコンテンツが増えることで、多くのユーザーが携帯サイトを見るようになる。携帯でのネットサーフィンが盛んになり、ますます多くのコンテンツやサービスを生む。インターネットはそういう場として設計されている。
今の携帯ネットは、なんともインターネット的じゃない。それがどうにもいやで、まだ私は自分の携帯をiモード未契約にしている。
いつか携帯ネットも「ネット的」になったら、思う存分使ってやるつもりで。