今年頭の天皇杯、オシムは優勝したレッズの表彰式の間、目の前にいるレッズの選手でなく、レッズサポータをずっと見つめていた。
俺も目が合ったような気がした。自分の周りで国立のオーロラビジョンを見つめているサポーターは、「オシムが俺たちを見てるぞ!」と、より大きなレッズコールをした。
国立でもさいスタでも、いつもオシムのあの大きい顔が、ロイヤルボックスにあった。新聞やテレビでは渋い顔ばかり報道されるオシムは、いつもスタジアムではニコニコしていたように思う。
ピッチを見つめるのに夢中で、オシムばかり見ていたわけではないが、次の日の新聞では楽しそうなコメントがいくつも見れた。
「あの11人がほしい」とか。(このときは等々力だった)
ACL決勝でもオシムはいた。
スポーツ新聞によれば、セパハン相手に2-0となったとき、
「シャンパンの用意をしましょう!」と回りに声をかけ、
「もしも浦和が勝ったらこのまま乾杯しましょう」とグラスを用意し、
その後浦和の選手のいいプレーを、我が事のように手を叩いて喜んでいたそうだ。
チームとしては日本や世界のいろんなチームに関心があったであろうオシムは、クラブとしては浦和に大きな注目をしていたのだと思う。何より、同じサッカー好きであるサポーターと共にゲームを見ることに。
オシムに、赤い星や浦和のエンブレム、ハートマークといった、浦和のビジュアルを見せられたことは、スタジアムにいたものとして誇り、思いでもある。
優勝の翌日、オジェックにおめでとうの長電話をした後、オシムは倒れた。
先ほどの記者会見で、大きな山はこえたそうだ。
早く回復して、またサッカーを見に来てほしい。
リーグ優勝を見せるのは間に合わないかもしれない。
でも、12月にはクラブワールドカップが始まる。
ぜひ、スタジアムでまたあの顔をみたい。
日本のクラブの勝利を喜ぶ顔を見たい。