騒がしい未来

無駄に元気な毎日を送っている、チームラボ所属 高須正和のブログです。最近はtwitterメインで更新中

ゴーレム100 (未来の文学)
アルフレッド・ベスター 渡辺 佐智江
国書刊行会 (2007/06)
売り上げランキング: 81245

 

ゴーレム100
うーむスゴ本。一気に読めるスピード感がありながら、書かれた文章量よりもさらに多くの情報が詰まっている。こういう楽しみ方は小説や映画・音楽独特かもしれない。

ブレードランナー的サイバーパンク世界の中で、スピード感いっぱいに展開するストーリーと、まるで欄外に情報量を書き込みまくる漫画のごとく展開する新語・雑学・小ネタ。
それでいてまったく難解ではなく、どのページも読んでいると風景が頭に浮かぶ。映画みたいな細かい描写も、VJやiTuneの音楽イコライザーのような波形の束としても。

ずっしりした重さ・厚さと、大作という評判にビビって図書館で借りながら手を出せずにいたが、読み始めたら一気だった。

クラブミュージックやNIN、JudasPriestやクイーンズライクのようなサイバーパンクでヘヴィ・メタルな世界観が好きな人、暗闇の中に浮び踊るライトチューブに心騒ぐ人は、ぜひ聴きながら一気に読むべし。

ハードSFの愛好者、1行1行に薀蓄を傾けずにはいられないSF狂はコーヒーでも淹れながらじっくり読むべし。

渋谷シネアミューズにて鑑賞。

ジプシー・キャラバン公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/gypsycaravan/

予告編

 

インド、スペイン、ルーマニア、マケドニア。。。。といった世界各国のジプシー・ミュージシャンが一緒にツアーする「ジプシー・キャラバン」ライブのドキュメンタリー映画。

ミュージシャン一覧
http://www.uplink.co.jp/gypsycaravan/musician.php

映画としてはひたすら、インタビュー・演奏風景、インタビュー・演奏風景と続いていく。とにかくミュージシャンたちの演奏がすばらしかった。
フラメンコ、ラーガ、ブラス、女性・男性ヴォーカルと形式はばらばら、互いに国籍も違うし言葉も通じない音楽だけど、どこか共通点があるようにも思える。

インタビューでも各国のロマの現状が伺え、興味深い。それぞれの自宅の素朴な生活の様子、家族や音楽への愛、生活に立ち向かっていく意思、、、それは今この瞬間だけの様子にも見えるし、何千年にもわたって続けてきた営みのようにも思える。

生活が急に、彩を得たように思えた。

 

Joel on Software
Joel on Software
posted with amazlet on 08.01.25
Joel Spolsky 青木 靖
オーム社 (2005/12)
売り上げランキング: 12975

 

非常に現実的な人で、なおかつ優れた開発者(Excelの開発者)のJoel Spolskyが記したソフトウェア開発マネジメント本。

この本は良書。なぜなら、

  • Joelが、仕様策定・要件定義・プログラミング・デバッグ・テストといった工程を自ら行う開発者で、なおかつ優れた開発者だから。
    プログラミングに集中できる環境の話,言語の選択,プログラミングの処理を早くする方法、などといったテーマはそうでなければ書けない。
     (が、自分はプログラミングができないので、この部分はよくわからない)
  • Joelが人材を採用し、理想を掲げながらチームを組織し、多くの困難・混乱と現実的に対応しながら物事を成し遂げてきた優れたマネージャーだから。
    人材の採用,チームビルディング,バグを修正すべきかせざるべきか、といったテーマはそうでなければ書けない。
  • Joelが、開発上の問題/Tipsの根本的な原因を把握し、改善の方法を考え、それを体系化し、ソフトウェア開発以外にも応用できるほど抽象化できる優れたコンサルタントだから。
    本書でも紹介されている「Joel test」やスケジュール見積もりの方法、「下っ端でも何かを成し遂げる方法」などは、そうでなければ書けない。
  • Joelが常に経済的な視点を持ち、狙った市場でソフトウェアを成功させてきた優れたマーケッター,CEOであるから。
    オープンソースの経済学や、マイクロソフト成功の価値などはそうでなければ書けない。
  • Joelが、「優れた開発者を採用するために、やるべきこととすべきでないこと」のような難しいテーマに対して、自らの経験・知識から適切な例(しかも多くは最新の)を出しながらもわずか15ページで文字のみで語りつくし、なおかつキャッチーでわかりやすい文章でまとめる(だから、すいすい読める)優れた書き手だから。
    本書全体が、思わず目を引かれるキャッチーなたとえ話、ギョッとする極端な意見、把握しやすい箇条書き・表などによって構成されている。

これに、翻訳が優れていることも相まって、本書が対象にしているソフトウェア開発者だけでなく、何かしらの「IT業界でものづくりにかかわる人」ならば読めばまず面白さと学ぶことがあるだろう良書になっている。ものづくりの基本・応用・例外対応のすべてが詰まっている。

 もちろん、プログラム開発をしていて、なるべくコンピュータに詳しい人が読む場合が、いちばん本書の恩恵を受けることができるだろう。
 本書で出されるたとえ話の多くがコンピュータの世界の話であり、プログラム開発以外に「ディルバートとはどういうものか」ということがわからないと、この本の内容のほとんどがチンプンカンプンになってしまうと思う。
 しかしながら、それでもたとえば仕様書の書き方、人の雇い方、スケジュールといった章は予備知識がなくても十分に理解できるし、実際に開発をしていればほかの章も実感を持ってわかるようになるだろう。

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