2004年01月10日

■□犬飼社長語る(レッズ大討論会)@

いつも読んでいる名メールマガジン、
浦和スポーツ
より。
 私も年末のこの大討論会、テレビ埼玉で見ていたので、若干記憶から
加筆/訂正/コメントを入れています。

 インタビュアーの大野勢太郎さんは、レッズ応援番組GGRのメインキャスターです。

 何より浦和スポーツに感謝。


■□犬飼社長語る(レッズ大討論会)
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大野勢太郎(以下大野):犬飼代表こんばんは。これから30分ぐらいお話を伺いますが、
浦和レッズのサポーターが選手たちがこの一年を叱咤激励してくれましたが、
サポーターに向かって、クラブを代表して一言お願いします。

犬飼代表(以下犬飼):サポーターの皆さん、一年間本当に有難うございました。
今年ナビスコの決勝のあの国立には感動しましたし、埼玉スタジアムでも駒場でも
アウェーでも非常に選手への全員の声がかかるタイミング、内容が素晴らしい、
年々素晴らしくなっている。
選手が頑張ろうという雰囲気が出せるサポートをして頂けるということで、
本当に心強く思っています。

大野:特に最終戦の鹿島戦の同点ゴールを生んだのは、埼スタの赤い集団が作り上げた
ムードといって過言でないですよね。
横浜のサポーターは浦和レッズのサポーターに感謝しないといけませんね。


犬飼:そうですね(笑)

大野:年内の内に改めてということになりますが、
サポーターの質問を「オフトを2年で見切った理由とギドへのリクエスト」を
お伺いしたいとのことですが。
優勝監督を代えるというのはかなりの勇気がいったと思うのですが。

犬飼:一番は、浦和レッズはプロサッカーの興業をしているんですが、
やっぱり毎試合毎試合、お客さんが、本当にワクワクドキドキして、
結果はともかく
「浦和レッズの試合をみてよかったな。次も応援に来たい。」
と思われる試合を常にやって欲しいんですよね。そこが物足りなかったなと。
勝負事で相手がありますから、結果はともかく「とにかく今日は見に来て
よかったな。また来週も見に来たい」と。

大野:具体的なことでいうと。横パスが多いとかですね。
もっと積極的にゴールを目指すべきだと。
(オフトの解任については)
いろいろな人からいろいろな意見を耳にしたり、社長自身何度も
コメントを求められたと思うのですが、具体的にみて犬飼社長的に、
オフトのサッカーでは物足りなかったという部分は、
どういうところだったんですかね。

犬飼:ファイトしていないと。まず、サッカーというのは、
縦にいって敵のバックと味方がファイトして、またその勝負したあと、
縦に行ってゴールを目指すというのが、サッカーの基本なんですけど、
縦に行かないで横、横、横といっているあいだはファイトしていないん
ですよね。そうみると浦和レッズの試合でファイトする時間というのは
非常に少なかったですね。
見ているお客さんも物足りないと感じたと思うんですよね。ボールは持っていても、
横パスばっかりで。そこで、もう一度縦、縦というのをやりたいということですね。

大野:(昔の浦和レッズの監督でドイツ人と言うと)過去で言うと
やってくるのは、オジェック。(かつて)オジェックが2年終わったあとに、
攻撃サッカーを標榜しながらケッペル監督が来て、(成績不振で)
1年で去ることになってしまったことがあって、
そのあたり
(過去、固いサッカーから攻撃サッカーに行こうとして失敗したということ)
の不安をですね。サポーターが一番不安がっているところなんですが。

犬飼:監督もそうなんですが。やっているのは選手ですからね。
オジェックからケッペルに代わった時の他チームと比べた時の
(選手の)質とか層と、今オフトからギドに代わるうちの補強を含めた選手層とは、
はっきり言って、全然レベルが違う。

いまケッペルがやっても攻撃サッカーになるとは思いますけどね。
そこが根本的に違うんですよ。
「あそこ(オジェック→ケッペルの年)で監督が代わったから、どうこう」
というのはあんまり論理的ではないし、
私は
「やるのは選手で、これだけの選手を揃えた。さぁ、闘おう」
と。こういう感じですね。

大野:ギドも(元DFということで)守りがもちろん中心になるでしょうけど、
それにプラスアルファしての攻撃的サッカーということですね。
(犬飼社長がギドと)色々とお話になった時に(レッズの)強化担当も
「ギドが色々と説明したのは驚いた」と言ったそうですが、
ギドは色々なリクエストと、意思表示をしたんでしょうか。

犬飼:しましたね。プレゼンテーションをやってもらったんですけど。
彼は2年間レッズの試合を見ているわけですよ。練習も見ている。
「ファイトしていない。縦にいっていない。これをやらなきゃいけない。」
と言う。
「ただ縦にいくというのは物凄く練習しなきゃ縦に出せない。
縦に出すのは非常に難しい。勇気がいることだし、訓練しなきゃいけない。
自分は、その訓練を徹底的にやりたい」と。
そうすれば見ていてドキドキして、
「この勝負で勝ったらシュートにいくんじゃないか?」
というものが90分見られるレッズのサッカーになるんじゃないかと。

大野:それが犬飼代表が言う「面白いサッカー」ですね。

犬飼:横パスで十何発繋いでいる間とバックアップしている間、それでも
観客はお金を払っているわけですからね。
本当に面白いというサッカーは縦いくサッカーですよ。
「縦に行くために横に出す」ことはありますよ。でも
「横に行くために横に」いってはいけない。

大野:エメルソン、成長した田中達也、永井も頑張りましたが、
あとは「守りを固めて攻めるというサッカー」から、
「全員が縦に縦に走るというサッカー」になりますか。
サイドから、ボランチも、ことによると最終ラインのリベロの存在も攻めに入ってくると。

犬飼:僕らは槍があると言っているんですがね。
「槍がレッズに5本いる。」
他のクラブの責任者から聞くと
「浦和レッズは一番やりにくい。」と。
槍が5本がいると、山田、平川、エメルソン、田中。う?ん。

大野:まだいえない人もいますからね(笑)
 (獲得濃厚な清水アレックスのこと)

犬飼:それは別にしてね。永井も早いですしね。
(ほかのクラブの担当は)
「槍がすっ飛んできたら本当に守りにくい」と。
その槍が(昨年は)攻めにいかないわけですよ。それは宝の持ち腐れだなと。
それをギドが「徹底的に訓練する」と言ってますから、
勇気のある面白いサッカーを期待しています。

大野:トップチームは氷山の一部分でして、その下の部分(ユース、サテライトなど)
ですね。
浦和レッズは物凄く遅れていたと思います。ハードもソフトも。
その部分の改革は、どうお考えなんでしょうか。

犬飼:普及・育成・トップチームとあるんですけど。
トップチームがまず皆さんに憧れの的になるような良いチームじゃなきゃ
いけないんですね。それが大前提。
今年ナビスコ杯をとって、とりあえず落ち着いたかなと、
来年は絶対優勝戦線に顔を出すよと。

普及活動は今年から始めたんですけど。(子供が対象の)ハートフルサッカー教室
を(元浦和レッズでプロコーチの)池田伸康とか渡辺隆正とかのコーチで
やっているんですが。この一年間で一万人の子供達とボールが蹴れたんです。
福田正博サッカースクールなどを含めて。

来年は、土橋選手などが加わってくれて、倍の活動をしようと。2万人。
さいたま市内だけではなくて。熊谷、東松山の方にも出て行って2万人の
子供達とボールを蹴りたいと思っております。

大野:そこで読者からのFAXとしてこんな意見が来ています。

「浦和の子供でレッズにジュニアユースがないので、
レイソルやヴェルディのジュニアユースに通っている子供もいるんです。
浦和市の選抜チームFC浦和などとの兼ね合いもあると思いますが、
そこで一歩踏み込んで"レッズジュニアユース"として生え抜きを作る
環境も作って欲しいと思います、ご検討願います。」

犬飼:私は「小学生の時は、広くサッカーを楽しんでもらう」という環境を
作りたいと思う。小学生の時から作ってしまうと、
そこに入れない子は興味が薄れてしまう。

まだ小学生の頃は色々な可能性を持った子供達がいて
レッズが限られた人間で活動してしまうと、もし入れない時に可能性を潰してしまう。
それはやりたくないなと思います。

その中でよく見てて、中学生の頃から絞り込みたいと思っているわけです。
その中で我々が見ているのは個性。個性豊かな子供達を作りたいなと。
その個性が伸びてトップチームに入ってくる。
なんでもうまく出来るけど、人並みというのはプロには向かないと思うんですね。
そういう目で今年からコーチ陣も見ているようにしているわけですけどね。

大野:育成の部分もあります。私が寂しいなと思うのは、試合前に配られる
メンバー表で、出身クラブ・高校などが出ております。
ジェフ市原の場合は、市原ユース出身の子が3人、4人といたりします。
浦和の場合はいない。ユースから選手たちが育ってトップチームで活躍する。
それで初めてクラブとしての足腰が強くなったといえると思うんですが。

犬飼:全く仰る通りで。これからレッズユースなどに力を入れていこうということで、
ハードな面でいうと与野八王子グラウンドなどに夜間練習が出来るようにしたり、
来年からコーチとして今まで大宮の監督をやっていた菅野氏に来てもらう。
彼はユース年代を育てる有数の指導者。
日本サッカー協会にも声がかかっていましたが、レッズに来てもらうことになりまして、
来年からユースを見てもらうことになりました。
それと同時に高校生に吾亦紅(われもこう)というレッズの独身寮を解放しようと。

これはギドとの話で私が、
「あなたはヒーローだが、ヒーローのまま監督になったらチームは崩壊する。
あなたは悪者になる覚悟はあるんですか?」
と聞いたんです。
そしたら、
「"勝ったら選手が良かった。撒けたら監督のせい"そんなことは当たり前だ」
と、非常に強い調子で真っ赤になって言ったんですけど。
その切り替えしで、
「レッズはプロ選手に独身寮を提供している、甘い」
と。

大野:一年は独身寮ですごしなさいというのは、浦和レッズのやり方だったですよね。

犬飼:
(ギドは)
「プロになったらお金をもらっているのだから、自分で生活をしなさい」と。
「(寮に入れて面倒を見るのでなく)ハングリーに
"うまくならないと生活が出来ない"という環境になぜ置かない」
と。
これはドイツなんですよね。
で、
「お金を全然稼いでいない高校生を独身寮にいれて育てる」と。
レッズがユースから良い選手が出てきていないというのは、
アマチュアの考えだったのかなと。
逆にギドから指摘されましてね、(ユース強化を)やっていこうかなと思います。

大野:ギドと話をしたのは、「トップチームのタイトルを狙う」。
選手も揃いましたから、それもやりますが、それ(トップチームのタイトル)以外
でも要望は多かったんですか。

犬飼:クラブとして全体としてどういう考えでやっていくのか、
その中でギドがどういう指導をしていくのか、
それを3時間も4時間も話し合いをしたんです。

大野:そこで確認をしながら、ギドが監督になるという確認をしていったわけですね。

犬飼:そうですね。そこでビックリしたのは、ギドで折り合いが行かなかったら
エンゲルス(に監督をお願い)してたんですよね。そう思っていたら
ギドが既に「ヘッドコーチとして声をかけているんだ」と。
聞いてビックリしたんですよね。
これはドイツ人同士で、この話(ギドが監督)でOKとなったら、
(ギドが)エンゲルスとサッカーに対する哲学を話し合い、ぴったりあったら
(ヘッドコーチを)頼むと。
ギドが4時間2人で話し合ったそうですよ。
ギドが言うのは、サッカーに対する哲学がぴったりとあったそうですよ。
本当に心強いなという気がしました。

大野:ギドとエンゲルスに断られた場合は?

犬飼:オジェック(笑)

大野:オジェックのサッカーというのは犬飼社長ご存知ですよね。

犬飼:オジェックも(当時は)あの時のメンバーでどう戦わなければいけないかというサッカーをやった。
今のメンバーは違いますよ。オジェックは2002年ワールドカップも
技術員でやっていますから、近代サッカーはどういうものか見ていますしね。
レッズの今のメンバーを見たら、そういう戦い(当時とは違う攻撃サッカー)をする、
その力のある監督だと思いますよ。
レッズのスタイルをドイツサッカーで作ってもらいたいと思います。

大野:(ギドもオジェックも)「戦う気持ちのない選手は、ピッチに出さない」
と言っていましたから。
そういう試合が多くなる。いや全試合そうなると。

犬飼:本当に「レッズの試合に行ったら、選手が必死になって戦っている。」
そういう雰囲気をサポーターの皆さんが肌で感じる、
そういうチームを作ってもらいたいという注文をつけています。

大野:ギドやエンゲルスは、サテからユースまで目を光らせるということになりますかね。

犬飼:最初の6ヶ月間は(エンゲルスもギドも)家族が学校の問題などで来れないので、
浦和のホテルにギドとエンゲルスがいるんですけど。
(ホテルでは)一日中時間があるので、ユースからジュニアユースまで
全部見ると言っていました。

大野:これが新しい浦和レッズの憲法になるんですかね。

犬飼:そうなって欲しいと思います。

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