2004年08月08日
クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門@
だいぶ昔にamazomで購入して、中に入っている数式にビビって読まずにほっておいた本。
物事の基本的な仕組みがわかると、ちょっとおちつく。
たとえば夏になれば暑くなって冬になれば寒くなる理由は、地球の自転の軸がちょっと傾いていて、日本の場所が太陽のほうに多く向く季節と向かない季節があるから、なんて話がわかると、少しいい気分になる。
で、今自分たちが不景気不景気言ってるのはそもそも何が悪くてどういうことかをわかりたくて読んでみた。
書いてあることはとても明快なのだけど、出てくるいくつかの数式を理解するのがつらくて、きっちりわかった気がしない。
でも、最初に出てくる「流動性トラップ」の部分は多少わかった気がするし、ビックリした。
投資を増やして好景気にしたいと思って、金利をいくら下げてゼロにしても、人がみな、「不景気が当分続く」と考えていると、効果がなくなる。こうなると、人々の「不景気が続くから、なるべく現金で持っていよう」という雰囲気が変わるまで、不景気は続く。
この「現金で持っていよう」という心情を壊すためには、「向こう10年間、年間で5%ずつ物価を上げますよ」という発表を政府や日銀がやって、それに伴う政策を実施すれば良い!
...どうやらこれが、クルーグマン言うところのインフレターゲット論であり、今の不景気の脱出特効薬らしい。
この本はこのモデルの説明と、他の方法がなんでダメか、あと一見暴論(何しろインフレ促進論だから)に見えるこの理論に対する反論の紹介と、その論破の数々が書いてある。
反論と論破の部分については、数式モデルがいくつか出てきて、そこでわからなくなってしまったけど、自分が感じたこの本の「おもしろさ」は別にある。
経済という数字の怪物のようなものが、人々の「気持ち」で動いてしまうことだ。少子化だからとか資源がないからだとか言った理由とは別に、「将来への期待の度合い」で、経済がまるまる動いてしまうというこの本のモデルは、とても刺激的だ。どのデータをどう解釈するかによるけど、社会全体の「気分」をうまくモニタリングする仕組みができたら、景気・不景気がそれで判定できるようになるかもしれない。
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