横井 軍平 牧野 武文
アスキー
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横井氏がいなかったら今の任天堂はないかも
枯れた技術の水平思考
1966年のマジックハンドから、1996年のゲームボーイポケットまで、多くの任天堂名作玩具(ゲームに限らない)を生み出してきた横井軍平の作品の数々と、本人のそれぞれに対してのコメント、さらには本人の生い立ちと物作りに関するインタビューが納められている。
amazonで数万円のプレミアがついているが、価格に見合うかどうかはさておき、一人のクリエイターの作品全部を収めた本はあまりなく、そこが貴重。テレビゲーム、ゲームウォッチ、16mmフィルムを使ったゲームセンター用ゲーム、「テンビリオン」というルービックキューブのようなパズルゲームなど、素材・ターゲット・モチーフ・時代は様々ながら、横井氏が作った玩具は数十にものぼる。それぞれの開発時に、どの部分を気にしていて、何がカギだったかを語るコメントだけでも面白い。
いちばん感嘆したのは、ある程度制限があるそれぞれの物作りの中で、制限を受け入れてむしろ武器にする、その前向きな発想だった。
本当に物作りが好きで、好きなことをやっているから、ポジティブに苦労ができるのだと思う。製品のディテール、開発チームのマネージメント、価格など、どの製品も意を配りながら、「買ってくれる人」の目線は外さない。しかも、それが「作ったものを見せびらかして、多くの人に使ってもらいたい」という正直な動機から発生していて、ウソやゴマカシがない。
ホンモノのクリエイターはこういう人なんだと思う。
瀬川 深
筑摩書房
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雨と、ちょっと体調が悪くて週末は引きこもって、小説を何冊か読んでいた。
この「チューバはうたう」は大当たり! 3つの短編が収められた小説なのだけど、どれもすばらしい。
すがすがしく、開放的で、旅に出たくなったり、自分の部屋が何かすばらしいもののように思える小説だ。
3作とも、どこにでもいる、ちょっと変わった趣味(チューバ吹き、南洋放浪、プラネタリウム作り、自転車での廃線歩き、トラックに蜂を積んで自然の花を探すフリーの養蜂家…)の人々の生活と、生活の中で起こるちょっとドラマティックな出来事を活写している。
世の中のメインストリームから、ちょっと違ったスタンスに立っているからこそ見える、「あたりまえ」のばかばかしさ。高校オーケストラ部員の「練習が自己目的化したような日々」を、主人公は評価しない。でも、自分が荒川の河原で一人チューバを吹く日々も快いとは思っていない。シニックに世の中を批評して得意がる小説、ではないのだ。
むしろ、ちょっとはずれた、普通には選ばない趣味・職業・価値観の持ち主がいろいろ考えつつ、吸い寄せられるようにその人生の道に流れ、ハマっていく(なんとなく、では行けない道なので、ハマらざるをえない)課程と、打ち込むものを見つけた人生の素晴らしさが、どの小説にもあふれている。青春小説にありがちな、若い人ばかりが主人公でないのもいいし、湿っぽさがない、ドライで明快な文体もいい。文中に活写される、自分が愛してやまないバルカンのダンスミュージックのように、人生のブルースがすべて祝祭のように聞こえる、泥臭くて華やかな文章!
チューバを描いた表題作では猛烈にブラスを聴きたくなり、続けて何枚もCDをかけてしまった。
音楽好きにも、そうでない人にもおすすめだけど、ファンフォーレ・チョカリーアとか、タラフ・トゥ・ハイドゥークスといったバルカンの音楽や、そこと近い音楽をやっているソウル・フラワー・ユニオン、渋さ知らズ、「チューバをうたう」が捧げられているシカラムータの音楽が好きな人には特にお勧め。
オムニバス フアナ・ラ・デル・ピパ&ヒア・チャーチ・コングリゲーション ジプシー・キャラバン:ミュージック・アンド・インスパイアド・バイ・ザ・フィルム・ホエン・ザ・ロード・エンズ... ウスタッド・ムラド・カーン・ランガ ウスタッド・ピロー・カーン・ランガ ファンファーレ・チォカリーア アントニオ・エル・ピパ・フラメンコ・カンパニー マハラジャ チルドレン・イン・バルナワル タラフ・ドゥ・ハイドゥークス エスマズ・アンサンブル・テオドシエフスキー
ライス・レコード (2007-06-24)
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ソウル・フラワー・ユニオン
BM tunes (2008-09-17)
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渋さ知らズ
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CICALA-MVTA
リトルモア (2006-09-27)
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