ファクトフルネス、進歩、繁栄と似たテーマの本を続けて読んだ。どれも読む価値のある本だと思う。 共通するテーマは、人類は科学技術と交易のおかげで進化しているだが、本によりテーマの取り上げ方、力点には際がある。大ヒット中のファクトフルネスの魅力はこのチンパンジークイズに集約される。


読書録:「ファクトフルネス」の向こう側、「進歩」と「繁栄」そして僕らは何をしていくべきか

ファクトフルネス、進歩、繁栄と似たテーマの本を続けて読んだ。どれも読む価値のある本だと思う。
共通するテーマは、人類は科学技術と交易のおかげで進化しているだが、本によりテーマの取り上げ方、力点には際がある。大ヒット中のファクトフルネスの魅力はこのチンパンジークイズに集約される。

『ファクトフルネス』チンパンジークイズ
世界の事実にまつわる12の質問にチャレンジfactquiz.chibicode.com
{.markup–anchor .markup–mixtapeEmbed-anchor} FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
*Amazonでハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, 関 美和のFACTFULNESS(ファクトフルネス)…*www.amazon.co.jp
{.markup–anchor .markup–mixtapeEmbed-anchor} ファクトフルネスの著者はTEDでも人気のスピーカーで、発展途上国の進化などをわかりやすくするグラフを作っている。流石にわかりやすくインパクトがある。
反面、「なぜ社会が進化したか」「そうなった社会はどうなるか」についての記述は薄く、タイトル含めて「社会は変わってます!(ドヤァ)」に重点が置かれている。サクっと読める本(それは、全体を貫くデザインの良さでもある)だし、この本が伝えたいことがきちんと常識になるといいと思うが、僕がより強く興味をおぼえるのは、ファクトフルネスのさらに向こう側だ。

「進歩」と「繁栄」は、テーマが複雑でわかりにくくもなっているが、その原因や今後についても多くページが割かれていて、筆者の関心もそちらにあるようだ。「進歩」については先日感想を書いた。

「人類全体を舞台にしたリビングラボ」 読書録:進歩: 人類の未来が明るい10の理由 (著:ヨハン ノルベリ 訳:山形浩生)
*未来が過去より悪くなったことはない。*medium.com
{.markup–anchor .markup–mixtapeEmbed-anchor} 先程のスローガンに言葉を足すと、人類は科学技術と交易のおかげで進化してきて、今は過半数の人類が、人生を自力で選択できるようになっているとなるだろうか。

「繁栄」について触れていくと、「進歩」よりも更に長い歴史のスパンのなかで、人間が進化してきた過程を、専門化と交易というシンプルな2つのキーにまとめ、ケーススタディを積み重ねていく。

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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{.markup–anchor .markup–mixtapeEmbed-anchor} 冒頭で現代のマウスと後期石器時代の石斧を待避させ、人間が握るならそのぐらいのサイズに落ち着くが、石斧は本人が作ったのに対しマウスは何百人もの専門家が労働し、成果を交易して作ったもので、それによって人類の生産性がものすごく上がっていて、反映につながっていることを活写していく。
鎖国のエピソードを中心に日本の話もあるのも興味深い。

「進歩」と「繁栄」に共通するテーマ

進歩と繁栄に共通するテーマは「集合知」だ。個としての人間は石器時代から進化していないが、知恵の蓄積と交換が現在の社会を豊かにしている。今僕らが使っているコンピュータは先人の知恵の結晶で、自分が労働で稼げる程度のお金でそれをフル活用できることが今の僕たちの豊かさを生んでいる。そしてインターネットが世界を被い、発展途上国でもネットへのアクセスにより知の蓄積を存分に活用できるようになったことで、世界全体が大進化を迎えようとしている。

環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態
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{.markup–anchor .markup–mixtapeEmbed-anchor} 「環境問題を煽ってはいけない」(ロンボルグ)を含め、最近北欧からはこうした「人類は進歩している、その向こうに行こう」というテーマの本が続けて出てきている。コンピュータとインターネットを前提にした新しいやり方はどんどん広まっていくだろう。

世界は予測不能で複雑になり、大きな波でなくて、各自が小さい波を起こし合って進化させていく時代になってきている。自分自身がプレイヤーになって、コミットできる事象を大きくしていくことがこういう時代での生き方に繋がっていく。

By TAKASU Masakazu/高須正和{.p-author .h-card} on February 22, 2019.

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