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付録F Xboxハードウェアリファレンス
この付録では、Xboxハードウェアに使用されている主要なコネクタのピン配置をまとめる。
電源コネクタのピン配置
Xboxに使用されている電源は最大96ワット定格のスイッチング電源で、10秒未満であれば160ワットのピーク出力能力を持つ。マイクロソフトはこの電源をDelta Electronics, Inc.(www.deltaww.com)をはじめ複数のベンダーから調達している。デルタ製は米国向けXboxに使用されており、データシートは同社ウェブサイトまたはウェブ検索から入手できる。
| ピン番号 | 説明 | ワイヤーの色 |
|---|---|---|
| 1 | +12V | 黄 |
| 2 | +5V | 赤 |
| 3 | +5V | 赤 |
| 4 | +5V | 赤 |
| 5 | +3.3V | オレンジ |
| 6 | +3.3V スタンバイ | 茶 |
| 7 | GND | 黒 |
| 8 | GND | 黒 |
| 9 | GND | 黒 |
| 10 | GND | 黒 |
| 11 | 電源オン | 白 |
| 12 | 電源OK | 青 |
表F-1:メイン電源コネクタのピン配置。 ワイヤーの色はXboxに搭載されている電源モデルによって若干異なる場合がある。この表はDelta製 DPSN-96AP A バージョン電源に適用される。

ハードディスク電源コネクタのピン配置
| 説明 | ワイヤーの色 |
|---|---|
| +12V | 黄 |
| GND | 黒 |
| GND | 黒 |
| +5V | 赤 |
表F-2:ハードディスク電源コネクタのピン配置。
ビデオコネクタのピン配置
ビデオコネクタのピン配置は、一部の信号をプローブで確認してもわかりやすいパターンが現れないこと、また1つのコネクタで複数の表示モードに対応していることから、解析が少々難しい。ビデオコネクタのピン配置を掲載しているウェブサイトはいくつかあるが、掲載情報と実測値を照らし合わせると食い違いが見られる。僕はXboxHacker BBSとSourceforge.netのucon64ウェブページの2つの投稿を参照・照合して、できる限り正確な情報をまとめた。元の投稿はhttp://www.xboxhacker.net/index.php?do=article&id=10&page=1とhttp://ucon64.sourceforge.net/ucon64misc/conn.htmlで確認できる。また、MODE1〜3信号で選択できる8つのビデオモードの定義は、XboxHacker BBSのウェブページに記載されている。実測の結果、コンポジットビデオとオーディオ信号のマッピングはすべて正しいと確認できたが、XboxHacker BBSの投稿に記載されているSDTV、HDTV、RGBのマッピングは検証できなかった。これらの信号に誤りがあった場合はあらかじめお詫びする。
なお、ピン12とピン24はXboxのコネクタ側のピンが長くなっており、Xboxの電源が入った状態でビデオコネクタに周辺機器を接続する「ホットインサーション」時に電力を供給するためのものである。ピンが長いことで、信号を受け取る前に周辺機器の回路が電源を確保できる。これにより、周辺機器のチップ内部で発生する可能性のある「ラッチアップ」と呼ばれる破壊的な状態を防ぐ。

図F-1:Xboxのオーディオ・ビデオコネクタ。Xboxの背面パネルを外側から見た状態。
| ピン番号 | 信号名 | I/O | 説明 |
|---|---|---|---|
| 1 | Right Audio | Out | 右チャンネル音声出力 |
| 2 | GND | Power | |
| 3 | SPDIF | Out | Sony/Philips Digital Interface(S/PDIF)音声出力 |
| 4 | VSYNC | Out | 垂直同期(VGA出力モード) |
| 5 | GND | Power | |
| 6 | GND | Power | |
| 7 | GND | Power | |
| 8 | GND | Power | |
| 9 | Pb / B | Out | HDTVモードではPb、RGBモードでは青 |
| 10 | GND | Power | |
| 11 | Y / G | Out | SDTVおよびHDTVモードではY信号、RGBモードでは緑 |
| 12 | GND | Power | ホットインサーション用の長いピン |
| 13 | CVIDEO | Out | コンポジットビデオ出力 |
| 14 | GND | Power | |
| 15 | C / Pr / R | Out | SDTVではC信号、HDTVではPr、RGBモードでは赤 |
| 16 | GND | Power | |
| 17 | STATUS | Out | SCART(スカート — Syndicat des Constructeurs d'Appareils Radio Récepteurs et Téléviseurs)ステータスピン |
| 18 | MODE3 | In | ビデオ出力モード選択ピン3 |
| 19 | MODE2 | In | ビデオ出力モード選択ピン2 |
| 20 | MODE1 | In | ビデオ出力モード選択ピン1 |
| 21 | HSYNC | Out | 水平同期(VGA出力モード) |
| 22 | GND | Power | 左チャンネル音声ケーブルシールド |
| 23 | Left Audio | Out | 左チャンネル音声出力 |
| 24 | +5V | Power | +5V電源、ホットインサーション用の長いピン |
表F-3:ビデオコネクタのピン配置。
表F-3のXboxビデオコネクタのピン番号は、図F-1のとおり。XboxHacker由来のピン配置とucon64由来のピン配置では番号の付け方が異なっており、僕はその中間的な番号体系を採用した。興味深いことに、図F-1のピン24はXboxビデオコネクタ上で四角いパッドに対応しており、ここで採用した番号体系がメーカーの番号体系と一致していないことを示している(四角いパッドは通常ピン1を、丸いパッドはその他のピンを示す)。ピンの番号付けは任意のものであり、ピン定義表と一貫性があれば問題ないため、表の正確性には影響しない。
USBコネクタのピン配置
Xboxはゲームコントローラーポートにおいて、USB派生の仕様を採用している。Xbox前面には4つのゲームコントローラーポートがあり、すべて同一のピン配置となっている(図F-2参照)。

図F-2:Xboxのケース外側からコネクタを見た状態のゲームコントローラーピン配置。図F-3:Xboxに近い側のコネクタを正面から見た状態のゲームコントローラー着脱式コネクタのピン配置。
「ビデオ同期」信号は3.3V CMOS/TTL互換の信号である。これはコンポジットビデオ出力の水平ライン時間に同期した、15.734 kHzの正極性パルス列であり、各ビデオフィールドの先頭には1つの長いパルスが挿入される。この信号により、TVスクリーンに向けて使用するライトペンやシューティングゲーム用ライトガンなどの周辺機器が位置情報を取得できる。
ゲームコントローラーはXboxと着脱式コネクタ(ブレークアウェイコネクタ)を介して接続される。このコネクタの目的は、ケーブルがユーザーの足に引っかかって引っ張られたりした際に、コンソール(特にハードディスク)へのダメージを防ぐことにある。着脱式コネクタのピン配置を図F-3に示す。
ゲームコントローラー拡張スロットのピン配置
Xboxのゲームコントローラーにはメモリカード、マイクロフォンなどの周辺機器向けに2つの拡張スロットが搭載されている。これらのスロットもUSB準拠のインターフェースを提供する。ゲームコントローラーにはUSBハブ(Atmel AT43USB401ハブチップ)が内蔵されており、入力されたUSB信号を拡張スロットへ中継する。拡張コネクタのピン配置を図F-4に示す。

図F-4:ボタンを上にした状態でゲームコントローラースロットを正面から見た状態の、ゲームコントローラー拡張スロットのピン配置。図F-5:Xboxの背面パネルを外側から見た状態のXboxイーサネットコネクタのピン配置。
イーサネットコネクタのピン配置
XboxのイーサネットポートはEIA/TIA 568B規格に基づく標準的な10/100BASE-TX ツイストペアRJ-45コネクタである。表F-4のピン配置とワイヤーカラーはEIA/TIA 568B規格に基づく。コネクタのピン番号は図F-5のとおり。
| ピン番号 | 説明 | ワイヤーの色 |
|---|---|---|
| 1 | 送信+ | オレンジストライプ |
| 2 | 送信- | オレンジ |
| 3 | 受信+ | グリーンストライプ |
| 4 | 未接続 | 青 |
| 5 | 未接続 | 青ストライプ |
| 6 | 受信- | グリーン |
| 7 | 未接続 | 茶ストライプ |
| 8 | 未接続 | 茶 |
表F-4:イーサネット 10/100 RJ-45のピン配置。
ATAコネクタのピン配置
XboxはハードドライブおよびDVDドライブとの通信に標準的なATA(Advanced Technology Attachment)バスを使用している。ATAバスは一般的に(ただし技術的には不正確な表現で)IDE(Integrated Drive Electronics)バスと呼ばれることが多い。現在の多くのドライブはIDEスタイルドライブに該当するが、例えばSCSIドライブもドライブ内蔵エレクトロニクスを持つ。しかし長年の(誤)用例により、IDEという言葉はATAバスの同義語として定着している。
表F-5はATAコネクタのピン配置で、Xboxマザーボード上でXboxの背面を自分に向けた状態でコネクタを上から見たもの(コネクタは右側にあるはず)である。奇数ピンが片側に、偶数ピンがもう片側に並ぶジグザグ型のピン番号付けに注目してほしい。
| ピン番号 | 信号名 | 説明 | ピン番号 | 信号名 | 説明 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Reset | リセット | 2 | Ground | GND |
| 3 | Data 7 | データ7 | 4 | Data 8 | データ8 |
| 5 | Data 6 | データ6 | 6 | Data 9 | データ9 |
| 7 | Data 5 | データ5 | 8 | Data 10 | データ10 |
| 9 | Data 4 | データ4 | 10 | Data 11 | データ11 |
| 11 | Data 3 | データ3 | 12 | Data 12 | データ12 |
| 13 | Data 2 | データ2 | 14 | Data 13 | データ13 |
| 15 | Data 1 | データ1 | 16 | Data 14 | データ14 |
| 17 | Data 0 | データ0 | 18 | Data 15 | データ15 |
| 19 | Ground | GND | 20 | Key | 極性合わせ用の空きピン |
| 21 | DMARQ | DMAリクエスト | 22 | Ground | GND |
| 23 | DIOW- | I/O書き込み | 24 | Ground | GND |
| 25 | DIOR- | I/O読み込み | 26 | Ground | GND |
| 27 | IORDY | I/O準備完了 | 28 | CSEL | ケーブルセレクト |
| 29 | DMACK- | DMA応答 | 30 | Ground | GND |
| 31 | INTRQ | 割り込みリクエスト | 32 | IOCS16- | 16ビットI/O |
| 33 | DA1 | デバイスアドレスビット1 | 34 | PDIAG- | 診断通過 |
| 35 | DA0 | デバイスアドレスビット0 | 36 | DA2 | デバイスアドレスビット2 |
| 37 | CS0- | チップセレクト0 | 38 | CS1- | チップセレクト1 |
| 39 | DASP- | デバイスアクティブ/スレーブ存在 | 40 | Ground | GND |
表F-5:ATAコネクタのピン配置。
DVD-ROM電源コネクタ
XboxはDVD-ROM専用の電源コネクタを使用している。このコネクタは電力を供給するだけでなく、いくつかの制御・ステータス信号も伝達する。これらの信号はドライブおよびドライブトレイの状態を伝える。ここに記載するピン配置はXboxhacker BBSの情報に基づいており、元の投稿(Ken Gasperによる)はhttp://www.xboxhacker.net/forums/index.php?act=ST&f=5&t=1025&s=0755f2b600975b776552f93d0730e4b1で確認できる。
Xboxマザーボードを上から見た状態のコネクタのピン番号は図F-6のとおり。

図F-6:Xboxマザーボードを上から見た状態のDVD-ROM電源コネクタのピン番号。
| ピン番号 | 信号名 | 説明 | ピン番号 | 信号名 | 説明 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 12VDC | +12V電源 | 2 | 5VDC | +5V電源 |
| 3 | GND | 電流リターン・基準 | 4 | EJECT- | アクティブロー トレイイジェクト |
| 5 | TS0 | トレイステータス0 | 6 | TS1 | トレイステータス1 |
| 7 | TS2 | トレイステータス2 | 8 | ACTIVITY- | ディスクシーク/データ転送 |
| 9 | 12VDC | +12V電源 | 10 | 5VDC | +5V電源 |
| 11 | GND | 電流リターン・基準 | 12 | GND | 電流リターン・基準 |
| 13 | Key | 未接続・極性合わせ用ブランク |
表F-6:DVD電源コネクタのピン配置(マザーボード上から見た状態)。
LPCコネクタ
XboxにはLPC(Low Pin Count)バスをベースとしたデバッグ・テスト用ポートが搭載されている。このバスはIntelが当初サウスブリッジチップセット向けに定義したもので、コストを抑えるためにピン数を削減しながら、レガシーPC I/O機能のサポートを維持する。これらのレガシーI/O機能はかつてほぼ廃止されたISAバス上に存在していたものであり、キーボード、マウス、シリアルポート、パラレルポート、ブートROMなどが含まれる。IntelのLPCバス仕様はhttp://www.intel.com/design/chipsets/industry/25128901.pdfで確認できる。
LPCデバッグコネクタは特に重要で、内蔵ROMが存在しない場合や破損してROMが存在しない・空白のように見える場合に、代替ROMイメージをXboxに供給できる。この機能は、インストールが容易なXbox用の代替ブートROMを実現するために活用されてきた。
XboxのLPCデバッグコネクタのピン配置は、IntelのInstallable LPC Debug Module Design Guide(http://www.intel.com/technology/easeofuse/LPC_mod_spec72.pdf)をベースにしており、表F-7に記載する一部の変更が加えられているようだ。特にピン16の機能は不明であり、その対となるピン15がXboxマザーボードではパワーピンに再割り当てされている。ピン15のパワーピンとしての割り当ては、そのピンに太いトレースと近くにデカップリングコンデンサが配置されていることから推定される。もしピン15が常時ハイのSPDA1信号として使われるのであれば、電源コンディショニングのない細いトレースが使われていたはずだ。
| ピン番号 | 信号名 | 説明 | ピン番号 | 信号名 | 説明 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | LCLK | 33 MHzクロック | 2 | VSS | 電流リターン |
| 3 | LFRAME# | LPCトランザクションの開始・終了 | 4 | KEYWAY | 極性合わせ用ブランク |
| 5 | LRST# | LPCリセット | 6 | VCC5 | +5V電源 |
| 7 | LAD3# | 多重化アドレス/データ | 8 | LAD2# | 多重化アドレス/データ |
| 9 | VCC3 | +3.3V電源 | 10 | LAD1# | 多重化アドレス/データ |
| 11 | LAD0# | 多重化アドレス/データ | 12 | VSS | 電流リターン |
| 13 | SCL | I2Cシリアルクロック | 14 | SDA | I2Cシリアルデータ |
| 15 | VCC3 | +3.3V電源(Intel仕様ではSPDA1) | 16 | SPDA0 | シリアルEEPROMデバイス選択(?) |
表F-7:LPCコネクタのピン配置(マザーボード上から見た状態)。
ファンコネクタ
Xboxのファンコネクタは3ピンヘッダで、ピン1とピン3が温度調節式PWM(パルス幅変調)ファン速度コントローラーに接続され、ピン2は+12V電源に接続されている。
フロントパネルコネクタ
Xboxのフロントパネル機能——点滅するLED、電源スイッチ、イジェクトスイッチ——はフロントパネルコネクタを通じてXboxマザーボードに接続されている。このコネクタのピン配置を表F-8に示す。ピン番号はXboxマザーボード上のコネクタを上から見た状態のものである。
| ピン番号 | 説明 | ピン番号 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 1 | GND | 2 | 電源スイッチ |
| 3 | GND | 4 | イジェクトスイッチ |
| 5 | 緑LED | 6 | 赤LED |
| 7 | 赤LED | 8 | 緑LED |
| 9 | 未接続だが配線あり | 10 | ピンなし(極性合わせ) |
表F-8:フロントパネルコネクタ(マザーボード上から見た状態)。
*原著*: *Hacking the Xbox: An Introduction to Reverse Engineering* © 2003 Xenatera LLC*著者*: Andrew "bunnie" Huang | *出版*: No Starch Press
*日本語訳・レビュー*: ニコ技深圳コミュニティ / 高須正和(@tks) — [https://takasumasakazu.net](https://takasumasakazu.net) — CC BY-NC-SA 1.0
*注記*: 本翻訳は、原著の Creative Commons ライセンス条件に従って公開する翻訳コントリビューションであり、著者 bunnie からも歓迎のコメントをいただいています。出版社による公式日本語版ではありません。